石州半紙とは

石州半紙は、島根県西部、石州と呼ばれる地域で漉かれた半紙(和紙)
の総称です。国東治兵衛の「紙漉き重宝記」(寛政十年)によりますと、
「慶和同の頃より柿本人麻呂、石見の国の守護職たりし時、民をしてこの製法を教えすかしむ」とあります。古代から石見は朝鮮、支那(中国)と国交は
盛んであり、それより以前から製紙が行われていたとみられています。
大宝令の主計式、延喜式のなかに、この地方から中央政府に貢物として紙が納められていたことが記されています。また、商品として輸出されていました。江戸時代、津和野、浜田両藩は紙専売を行い、その振興に力を注ぎ奨励して広く知られるようになりました。

紙漉き重宝記

石州半紙の特徴は、地元の石州楮で漉かれ、その特有の色合い、萌黄色茶褐色を帯びた鮮麗さと、極めて強靭で剛直な風合いに有ります。かつて大阪商人は帳面に使い、火災の時、井戸に投げ込み保存を図ったということは、石州半紙の強靭さを物語っています。
石州半紙の伝統的な技術技法は、三隅町に現存する四工房で一貫して保持されています。昭和四十四年に、国指定重要無形文化財に指定され、平成二十六年には、ユネスコ無形文化遺産に再登録されました。
当工房(西田和紙工房)では、楮栽培から全行程を一貫して行い、良き拘りをもちながら、日々紙漉きを行っています。

699-3225島根県浜田市三隅町古市場1694
西田和紙工房
代表者  西田誠吉